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つか版・忠臣蔵
来月15日から始まる劇団扉座第50回公演は「つか版・忠臣蔵」。高校時代につかこうへいの虜になって以来劇作家人生まっしぐらの横内氏が遂にというかとうとう本性を現した。本人曰く、「30数年ぶりにつか氏の真似に戻る」そうだ。つか氏の三回忌と、節目である第50回公演というのと、あさってオープンする東京スカイツリーの膝元、扉座のホームグラウンド「すみだパークスタジオ」での初公演というのまでひっくるめてなにかとエポック・メイキングになりそうな今回、ここらでそろそろ憧れの先人へオマージュをということなのかもしれない。実際、初回打ち合わせ時の仮のサブタイトルは「オマージュ篇」だった。最終的には東京公演はタイムリーに「スカイツリー篇」、厚木公演は「厚木あゆコロ篇」(こっちはかなり苦し紛れ…!)となったわけだが。
遡ること三ヶ月前、宣伝美術の初回打ち合わせで横内氏の“次回はつか氏を憑依させてホンを書く”という決意を聞いた庵主は、それならこっちもと臆面もなく憧れの横尾忠則氏の真似をする事を密かに誓った。デザイン学生時代は卒業制作まで全ての作品が横尾氏の真似っこだった庵主、ここ30年封印していた厚顔無恥なその奥の手を今こそ使おうと決心したのである。オマージュにはオマージュ、憑依には憑依で挑戦だ。
で、横尾さんが溝口氏のイラストを使って扉座公演のポスターを手掛けたらこんな感じかなとデザインしてみたのがコレ(画像参照)。横尾チックと言われればまあそうかも…程度にしか見えないかもしれない。いや、それでいい。分かる人だけでいい。完成データを見た横内氏はすぐ電話をくれて「横尾さんでしょコレ!凄いな!」と完璧理解してくれた。これに負けないホンを書くからとも宣言してくれた。それだけで嬉しい。1ラウンド目はポイント取ったぜとその時は悦に入っていた庵主であった。

そして先週完成台本が届く。すぐ読破。…凄い!凄すぎる!つかさんが扉座劇団員に当て書きしたとしか思えない圧倒的な完成度だ!実際、この戯曲は昭和57年の年末、テレビ東京で放映されたテレビドラマ版のみ存在していて、つか氏自身の演出で舞台化されたことは一度もなかった幻の作品なのだが、もしつか氏の舞台であったのなら、必殺〈口だて〉で現在形にアレンジされていたのなら間違いなくこうなっていただろうと思わざるを得ないほど完璧に「つか版」となっていた。テレビドラマ版なんてバッタものに思える程だ。恐るべし横内謙介。オマージュとはこういうことよ、憑依ってのはこうするもんよと教えられた気がした。2ラウンド目であっさりKOされてしまった。憑依合戦完敗である。悔しい…けど妙に嬉しい…。天才に憧れた天才が、天才に憧れた凡才のアプローチを理解してくれたわけだから…。また今度挑戦させてもらうぜよ。

テレビドラマ版の宣伝美術は巨匠・和田誠氏。つかさん自身のご指名だったという。
今回で憑依心に火がついた庵主、さっそく今手掛けているCDジャケットは横尾さんの真似である。完コピいやパクリといわれるくらいのヤツ。まっ、この話はまたの機会に。

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author:修平庵, category:懐かし文化, 05:21
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